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地域のみなさま、いつもホットな情報をありがとうございます。
にぎわいメンバーが取材に伺った先で、書ききれなかった
とっておきのお話を公表しちゃいます!



「ひと」のページでご紹介した灘中学校・高等学校校長の河合先生から、
灘中学校・高等学校のお話を伺いました。

沿革  

灘中・高等学校は、昭和2年10月に、灘五郷の酒造家嘉納家および山邑家の篤志を受けて、旧制灘中学校として創立されました。
昭和20年〜30年半ばまでは、魚崎町からも、たくさんの子供が入学していたそう。
運動場のあたりは、牧場だったのだそうです。

柔道の創始者でもある嘉納治五郎先生を顧問にお迎えし、教育方針も柔道の精神である『精力善用』『自他共栄』を採用しています。
戦後、現在の中高6年一貫教育になり、全国屈指の進学校として発展しました。

創立時から灘校の歴史を伝え、見守る本館の校舎は登録有形文化財に指定されました。

 



 

地域とのかかわり

あの阪神淡路大震災では、 行政からの避難所指定がなかったにもかかわらず、多くの近隣の被災者のために、避難所として約半年にわたって受け入れてくださいました。
体育館は、遺体安置所になりました。

最近では、住吉の友生養護学校との交流があり、学校祭にはほぼ全員の養護学校の生徒が遊びに来て、中・高等学校の生徒が案内をするのだそうです。
文化祭(5月)や体育祭(9月)では、多くの地域の方が参加されるそうです。
震災前後には、甲南商店街の夏祭りなどのイベントで、地域の方と囲碁・将棋で対戦し、とても強い学生に何度も挑む方がいらっしゃったり、「灘高に勝った」と大喜びする方もいらっしゃったりと、大好評でした。
これからも、地域との交流をはかっていきたいとのこと。

 

生徒のこと・学校生活

灘中・高等学校には、制服や制帽がなく、のびのびと自由な校風の中で過ごしています。
社会的なルール・常識はしっかりと守るように、と日ごろから学生にもお話されているそう。
通学時などに、道いっぱいに広がって歩いたり、急ぐあまり信号無視をしてしまうなど、注意すべきことはあるとのこと。

全国屈指の受験校で、「受験校は受身な子を育てる」とも言われることがありますが、これからの社会に通用する、外に向けて積極的に働きかけることができる子供を育てたいという目標が。
そのために、授業は進学校でも珍しく、週5日制ですが、土曜日には社会や研究のことを、先輩などをお招きして聞く機会を学生自らが設けています。

世間では「東大へ行くための学校」だと思われがちですが(実際、私たちメンバーも少なからずそう思っていました・笑)、進路は生徒が自分で決めているので、必ずしも全員が東大を目指しているわけではありません。
ほとんどの学生は「天才」ではなく、コツコツと努力を積み重ねて、学力を高めているようです。

また、創立者の意思を受け継ぎ、勉強だけでなく、クラブ活動にも積極的に参加し、体も鍛えなければ灘校生ではない!とおっしゃるくらい、文武両道には力を入れています。


子育てに思うこと

校長先生は、多くの講演会や学校説明会でお話をされています。
「今の親にアドバイスを」とお願いしたところ、
「どうすれば合格するか」ではなく「どう育てるか」とお答えいただきました。

年齢や学年で、今できること、身につけておくべきことを少しずつ積み重ねること・子供の視線に立って、子供の関心に目を向けることで、興味や関心を引き出し、そこから考える力、学ぶ力を育てられるのでは?という校長先生の言葉に、メンバー一同、う〜んとうなりました。

 

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